だんだんと日差しが強くなり、夏の足音が聞こえてきましたね。今年も厳しい暑さが予想されますが、皆様の建物では夏を迎える準備は万全でしょうか?
「まだ5月だし、夏本番はまだ先…」と油断していると、いざという時に「エアコンが効かない!」「電気代がとんでもないことに!」なんてことになりかねません。快適で安全な夏を過ごすためには、本格的な暑さが到来する前の「今」こそ、建築設備の点検と準備が非常に重要になります。
今回は、夏前に必ずやっておくべき建築設備管理のポイントを、チェックリスト形式で分かりやすくご紹介します。
1.【最重要】空調設備(冷房)~快適な涼しさは事前のチェックから~
夏に最も活躍する空調設備。本格稼働前にしっかりと状態を確認しましょう。
- □ フィルター清掃・交換はOK?
- ホコリが詰まったフィルターは冷房効率低下の元凶!電気代アップにも繋がります。今すぐ清掃または交換を。
- □ 室内機・室外機の状態は?
- 室内機: 熱交換器の汚れ、ドレンパンの詰まり(水漏れの原因!)がないかチェック。
- 室外機: 周囲に物がないか、吹き出し口が塞がれていないか確認。雑草なども取り除きましょう。
- □ 試運転で動作確認!
- 実際に冷房を運転し、異音・異臭・冷え具合を確認。問題があれば今のうちに専門業者へ!
- □ (専門業者へ) 冷媒ガスは足りてる?
- ガス不足は冷房能力低下の大きな原因。定期点検でチェックしてもらいましょう。
- □ ドレンホースは詰まってない?
- 詰まりは室内への水漏れに直結!スムーズに排水されているか確認を。
2. 換気設備 ~夏のこもり熱と湿気を排出!~
夏場は窓を閉め切ることが多くなるため、換気設備の役割がより重要になります。
- □ 換気扇はキレイに回ってる?
- フィルターやファンの汚れを清掃し、正常な動作を確認。新鮮な空気を取り込みましょう。
- □ 給気口・排気口は塞がれてない?
- 換気経路の入口と出口が機能しているかしっかりチェック。
3. 省エネルギー対策 ~賢く節電して夏を乗り切る!~
電気代が気になる夏。少しの工夫で大きな差が出ます。
- □ 窓からの熱をシャットアウト!
- 遮熱フィルム、遮熱カーテン・ブラインドの設置で、日射による室温上昇を抑制。
- □ (検討) 屋根・外壁の遮熱対策
- 遮熱塗料の塗布や緑化も効果大。長期的な視点で検討してみては?
- □ 適正な設定温度を周知!
- 冷房の設定温度は28℃を目安に。従業員や居住者への呼びかけも大切です。
- □ (該当施設) デマンドコントロールは正常?
- 最大需要電力を抑えるシステムが正しく機能しているか確認。
4. 害虫対策 ~不快な虫の侵入を未然に防ぐ!~
気温と湿度が上がる夏は、害虫の活動も活発になります。
- □ 奴らの侵入経路を断つ!
- 窓やドアの隙間、配管の貫通部など、害虫が入り込みそうな箇所を点検・補修。
- □ 排水溝・グリストラップは清潔に!
- 害虫の発生源となりやすい場所は、こまめな清掃を徹底。
- □ 専門家の力も借りよう!
- 必要に応じて殺虫剤の適切な使用や、専門業者による予防・駆除も検討。
5. 給排水衛生設備 ~見えないけれど大切な水回り~
夏場は水の利用量が増えるため、衛生管理が一層重要になります。
- □ (該当施設) 冷却塔(クーリングタワー)は大丈夫?
- レジオネラ属菌対策は必須!専門業者による清掃・水質管理を夏前に。
- □ 貯水槽の清掃・水質検査は計画通り?
- 法令点検はもちろん、安全な水を供給するために定期的な管理を。
- □ 節水意識も高めよう!
- 水の使用量が増える夏こそ、節水型器具の導入や節水の呼びかけが効果的。
6. 防災対策 ~台風シーズンへの備えも忘れずに~
梅雨明けとともにやってくるのが台風シーズン。早めの対策で被害を最小限に。
- □ 強風で飛ばされそうなものはない?
- 屋根、外壁、窓ガラスの状態を確認。看板やアンテナ、室外機の固定も再チェック!
- □ 雨水の排水はスムーズ?
- □ (該当施設) 非常時の備えは万全?
- 非常用発電機や蓄電池、排水ポンプが正常に作動するか点検。
7. その他 ~快適な環境づくりのために~
- □ 敷地内の植栽はスッキリ?
- 伸びすぎた枝葉は害虫の隠れ家や、台風時の飛散物になることも。適切に剪定を。
- □ 各種センサーは正常に作動中?
- 温度・湿度・人感センサーなどが正しく機能しているか確認。空調効率にも影響します。
まとめ:夏前の準備が、快適で安全な夏を創る!
いかがでしたでしょうか?夏前の設備管理は、一見手間がかかるように思えるかもしれません。しかし、これらの準備を怠ると、真夏に大きなトラブルに見舞われたり、余計なコストがかさんだりする可能性があります。
「まだ大丈夫」と思わず、計画的に点検・整備を進め、異常があれば早めに専門業者に相談しましょう。
万全の準備で、今年の夏も安全・快適に過ごしましょう!