4月に入り、日中の気温が高くなる日も増えてきました。新年度のスタートとともに、建物管理において特に注意を払いたいのが「水の安全管理」です。
ビルやマンション、店舗などの多くには、水道局から供給された水を一度溜めておく「貯水槽(受水槽・高架水槽)」が設置されています。冬の間は水温が低く安定していましたが、春から夏にかけて気温が上昇すると、貯水槽内の環境は劇的に変化します。
今回は、なぜこの時期に貯水槽清掃と水質管理が重要なのか、その理由とチェックポイントを詳しく解説します。
1. 気温上昇が水質に与える影響
貯水槽は屋上や屋外に設置されていることが多く、外気温の影響をダイレクトに受けます。水温が上がると、以下のようなリスクが発生しやすくなります。
残留塩素の減少
水道水には消毒のための「塩素」が含まれていますが、水温が上がるとこの塩素が揮発しやすくなります。塩素濃度が規定値以下に低下すると、槽内で細菌や雑菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
細菌・藻の発生
日光が透過するタイプの古い貯水槽や、遮光塗装が劣化している場合、温まった水と日光によって「藻」が発生することがあります。また、レジオネラ属菌などの繁殖リスクも、水温上昇とともに高まります。
2. 法律で定められた「年1回の清掃」
貯水槽の管理は、水道法およびビル管理法によって厳格に定められています。特に有効容量が10立方メートルを超える「簡易専用水道」に該当する場合、1年以内ごとに1回の定期清掃と検査が義務付けられています。
しかし、10立方メートル以下の小規模な受水槽であっても、各自治体の条例によって同様の管理が求められるケースがほとんどです。義務だから行うのはもちろんですが、「利用者の健康を守る」という観点から、汚れが蓄積する前の定期的なメンテナンスが不可欠です。
3. 清掃時にプロがチェックする「水槽の健康状態」
弊社の貯水槽清掃業務では、単に中を洗うだけではありません。建物総合管理のプロとして、以下のような設備の異常も同時に点検します。
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防虫網・通気口の破損: 暖かくなると活動を始める「蚊」や「ハエ」、あるいは「ネズミ」などが、わずかな隙間から槽内に侵入するのを防ぎます。
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マンパッキンの劣化: 蓋の隙間から雨水や埃が入り込んでいないかを確認します。
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定水位弁・警報装置の作動: 水が溢れたり、逆に断水したりするトラブルを未然に防ぎます。
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錆や亀裂の有無: 槽自体の劣化状況を確認し、漏水や事故を防止します。
4. ゴールデンウィーク前の実施がおすすめな理由
4月に貯水槽清掃をおすすめするのには、もう一つ理由があります。それは、「5月の大型連休(ゴールデンウィーク)」の存在です。
連休中にオフィスや学校が休みになると、建物内の水の動きが止まり、貯水槽の中に水が長く留まることになります(滞留時間の延長)。ただでさえ水温が上がる時期に水が動かないと、水質の悪化が加速します。
連休前に清掃と水質検査を済ませておくことで、休み明けも安心して清潔な水を使用することができるのです。
まとめ:見えない場所だからこそ、確かな管理を
蛇口から出る水は透明に見えても、その供給源である貯水槽の中がどうなっているかは外からは分かりません。気温が上がりきる前のこの時期に、一度貯水槽の状態を見直してみませんか?
弊社では、貯水槽清掃から水質検査、さらには給排水設備の点検・修理までワンストップで対応しております。建物環境衛生管理技術者の知見を活かし、安全で美味しい水をお届けするお手伝いをいたします。
「前回の清掃から1年経ちそう」「最近、水のニオイが気になる」といった不安がございましたら、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。